『日常生活で学ぶ社労士』シリーズ 試験対策編

労働基準法(労働時間・休憩)○×クイズ

通常版より一段階むずかしめの「試験対策」用○×問題です。
変形労働時間制・みなし労働時間制・休憩の原則と例外など、社労士試験でひっかけに使われやすいポイントを中心に出題しています。

第1部:○×クイズ(全10問)

まずは答えを見ずにチャレンジしてみてください。

  1. 変形労働時間制を導入している場合であっても、1日については必ず「8時間以内」にしなければならない。(○/×)
  2. 使用者は、労働者に休憩を与える場合、業務の都合に応じて分割して与えることができるが、全て有給の休憩時間としなければならない。(○/×)
  3. 労働基準法上の休憩は「自由利用の原則」により、使用者が休憩時間中の外出を禁止することは一切認められない。(○/×)
  4. 変形労働時間制を採用していても、1週間の労働時間は必ず40時間以内でなければならない。(○/×)
  5. 36協定が締結されていない場合でも、労働者が任意に残業を申し出たときは時間外労働をさせることができる。(○/×)
  6. 労働時間の記録は、タイムカードまたは勤怠システムによる記録のみが法的に有効であり、自己申告方式は原則として認められない。(○/×)
  7. 労働時間における「使用者の指揮命令下」とは、必ずしも作業している時間だけでなく、待機時間なども含む場合がある。(○/×)
  8. 休憩時間は、労働者ごとに異なる時間帯で与えてもよく、同一事業場のすべての労働者に一斉に与える義務はない。(○/×)
  9. みなし労働時間制(事業場外労働)を適用するためには、「事業場外での労働が実際に労働時間の算定が困難である」ことが要件である。(○/×)
  10. 使用者が労働者の労働時間を正しく把握していない場合、未払割増賃金に加えて、付加金(同額の支払い)が命じられる可能性がある。(○/×)

第2部:解答・解説

第1問

変形労働時間制を導入している場合であっても、1日については必ず「8時間以内」にしなければならない。

【正解】×

変形労働時間制は、一定の期間を平均して週40時間以内になるように組めば、
ある特定の日や週に8時間・40時間を超えて労働させることができる仕組みです。
「変形労働時間制でも1日8時間の制限は絶対」と考えるのは誤りで、ここがひっかけポイントです。

第2問

使用者は、労働者に休憩を与える場合、業務の都合に応じて分割して与えることができるが、全て有給の休憩時間としなければならない。

【正解】×

労基法上の休憩時間は賃金支払い義務が定められていないため、原則として無給です。
会社が任意に有給にすることはできますが、「すべて有給にしなければならない」という義務はありません。
「休憩=有給」と思い込んでいるとひっかかりやすい問題です。

第3問

労働基準法上の休憩は「自由利用の原則」により、使用者が休憩時間中の外出を禁止することは一切認められない。

【正解】×

休憩は原則として自由に利用できる時間ですが、
安全衛生上の必要性や、業務の性質に照らして合理的な理由がある場合には、一定の制限(外出禁止など)が認められる余地があります。
したがって、「一切認められない」と断定している点が×となるポイントです。

第4問

変形労働時間制を採用していても、1週間の労働時間は必ず40時間以内でなければならない。

【正解】×

変形労働時間制の趣旨は、ある週で40時間を超える勤務を認めつつ、
一定期間を平均して週40時間以内に収まるようにすることです。
したがって、「どの週も40時間以内でなければならない」というのは誤りであり、
この「週40時間の例外」を理解しているかどうかが試験のチェックポイントになります。

第5問

36協定が締結されていない場合でも、労働者が任意に残業を申し出たときは時間外労働をさせることができる。

【正解】×

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働や、法定休日労働をさせるためには、
36協定(時間外・休日労働に関する協定)の締結と届出が必要です。
労働者が自ら希望したとしても、36協定なしに時間外労働をさせれば違法であることに変わりはありません。
「労働者が望んでいるからOK」という発想は通用しない、という点が重要です。

第6問

労働時間の記録は、タイムカードまたは勤怠システムによる記録のみが法的に有効であり、自己申告方式は原則として認められない。

【正解】×

厚生労働省のガイドラインでは、
・タイムカード
・ICカード
・パソコンのログオン/ログオフ
など客観的な方法を原則としていますが、
自己申告方式を直ちに否定しているわけではありません
自己申告方式も、実態と乖離していないかをチェックするなどの適切な運用を行うことを前提に認められています。
したがって、「原則として認められない」とまで言い切るのは誤りです。

第7問

労働時間における「使用者の指揮命令下」とは、必ずしも作業している時間だけでなく、待機時間なども含む場合がある。

【正解】○

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。
実際に作業している時間だけでなく、
・いつでも業務の指示に応じなければならない待機時間
・拘束されて外出できない待機
なども、状況によっては労働時間に含まれます。
「動いていない=労働時間ではない」とは限らない点が試験の狙い目です。

第8問

休憩時間は、労働者ごとに異なる時間帯で与えてもよく、同一事業場のすべての労働者に一斉に与える義務はない。

【正解】○(ただし原則は「一斉付与」)

労基法34条は、休憩について
・原則:一斉付与
・例外:運輸業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業など、
    一斉に休ませることが適当でない事業 では例外を認める
と定めています。
また、労使協定により一斉付与を行わないことも可能です。
したがって、一定の要件のもとで、労働者ごとに異なる時間帯で休憩を与える運用も認められます。

第9問

みなし労働時間制(事業場外労働)を適用するためには、「事業場外での労働が実際に労働時間の算定が困難である」ことが要件である。

【正解】○

事業場外みなし労働時間制(労基法38条の2)は、
「労働時間を算定しがたいとき」に、所定労働時間などを労働したものとみなす制度です。
携帯電話やGPS等で労働時間を客観的に把握できる場合は、
「算定困難」とはいえず、みなし労働時間制の適用が否定される可能性があります。
要件の中核が「算定困難」であることを押さえておきましょう。

第10問

使用者が労働者の労働時間を正しく把握していない場合、未払割増賃金に加えて、付加金(同額の支払い)が命じられる可能性がある。

【正解】○

労働時間の適切な把握を怠り、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金を支払っていない場合、
裁判所が付加金(未払額と同額)の支払いを命じることがあります(労基法114条)。
未払賃金だけでなく「二重払い」になるリスクがあるため、
使用者には労働時間管理を適切に行う義務があることを示す重要な規定です。

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