『日常生活から学ぶ社労士』シリーズ

産休中の資格勉強と働き方クイズ(全10問)

まずは10問の○×問題です。直感で答えてみてください!

  1. 産前産後休業中に会社から「業務マニュアルを読んでおくように」と指示された場合、
    就業と認められる可能性がある。(○/×)
  2. 産前産後休業中に資格取得のために外部セミナーに参加しても、
    出産手当金の支給に原則として影響しない。(○/×)
  3. 出産手当金支給期間中に、雇用主から報酬を得る在宅ワークをした場合、
    出産手当金はすべて支給されない。(○/×)
  4. 産前産後休業中の労働者を、資格取得の有無を理由に不利益に扱うことは、
    法令で禁止されている。(○/×)
  5. 産前産後休業中でも、本人が希望すれば会社は在宅の軽易業務を命じることができる。(○/×)
  6. 産前休業中に自営業として確定申告をすると、出産手当金が減額される可能性がある。(○/×)
  7. 資格勉強内容をブログで公開してアフィリエイト収入を得ても、
    偶発的な収入であれば就業と扱われないことがある。(○/×)
  8. 産前産後休業中に会社が研修受講を義務付けた場合、
    就業と認められ、出産手当金に影響する可能性がある。(○/×)
  9. 労働者が自発的に資格学校へ通学したことを理由に会社が不利益扱いをすることは、
    男女雇用機会均等法などで禁止されている。(○/×)
  10. 産前産後休業中に会社の許可を得て副業を行った場合でも、
    副業収入が出産手当金に影響することがある。(○/×)

産休中の資格勉強と働き方クイズ(全10問)

産前産後休業中に「勉強してもいいの?」「ちょっと副業したらどうなる?」と迷う場面は意外と多いものです。
ここでは、産休中の資格勉強や副業と、出産手当金・不利益取扱いの関係をクイズ形式で整理していきます。

第1問

【問題】
産前産後休業中に会社から「職場復帰に備えて業務マニュアルを読んでおくように」と指示された場合、これは労働契約に基づく指揮命令に該当し、就業したと認められる可能性がある。 (○/×)

【正解】

【解説】
産前産後休業中は、原則として「就業させてはならない」(労働基準法65条)とされています。
会社が「マニュアルを読んでおくように」と指示する行為は、労働契約に基づく指揮命令にあたり、「労務の提供」と評価される可能性があります。
そのため、休業中に会社から業務準備を命じることは、就業させたとみなされるリスクが高いと理解しておく必要があります。

第2問

【問題】
産前産後休業中に資格取得のために外部セミナーへ参加することは、出産手当金の支給に原則として影響しない。 (○/×)

【正解】

【解説】
出産手当金は「労務に服さなかった日」について支給されます(健康保険法)。
自主的に資格取得のためのセミナーへ参加することは、会社の指揮命令による労務提供ではなく、通常は就業とは扱われません
したがって、自主的な勉強やセミナー参加は、原則として出産手当金に影響しないと考えられます。

第3問

【問題】
出産手当金支給期間中に、雇用主から報酬を得て行う在宅ワークをした場合は、出産手当金は支給されない。 (○/×)

【正解】 ×

【解説】
出産手当金は、「労務に服さなかった日」ごとに支給されます。
在宅であっても、雇用主から報酬を得て仕事をすれば、その日は就業した日と扱われ、その日の分の出産手当金は不支給となります。
ただし、「1日働いたからといって全期間の出産手当金がすべて支給されなくなる」というわけではありません。
ポイントは、働いた日についてのみ不支給になるという点です。

第4問

【問題】
産前産後休業中の労働者を、資格取得の有無を理由として不利益に取り扱うことは、法令上、原則として認められていない。 (○/×)

【正解】

【解説】
産休・育休の取得や、それに付随する状況を理由に不利益な取扱いをすることは、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法などで禁止されています。
例えば、「産休中に資格を取らなかったから昇進させない」「資格を取ったから負担の重い部署に異動させる」といった扱いは、不合理な不利益取扱いと評価される可能性があります。
資格取得の有無を口実にして、産休取得者を不利に扱うことは避けなければなりません。

第5問

【問題】
産前産後休業中であっても、従業員が希望する場合には、会社はその者に在宅での軽易業務を命じることができる。 (○/×)

【正解】 ×

【解説】
産前産後休業中は、「使用者はその者を就業させてはならない」と定められており、これは本人が希望しても原則禁止です。
妊娠中の軽易業務への転換(労基法66条)とは異なり、産前産後休業に入っている期間は、「働かせないこと」が基本となります。
たとえ在宅であっても、会社が業務を命じて仕事をさせることは、産前産後休業の趣旨に反すると考えられます。

第6問

【問題】
産前休業は「6週間(多胎妊娠は14週間)前」から請求により取得できるが、その期間中に自営業として確定申告を行うと、出産手当金が減額される可能性がある。 (○/×)

【正解】 ×

【解説】
出産手当金の支給に影響するのは、「実際に労務に服したかどうか」です。
確定申告を行うこと自体は、「過去の所得を申告する手続き」であり、その行為だけで直ちに就業とみなされるわけではありません
もちろん、申告対象となる期間中に実際に事業として働いていた場合、その働いていた日については出産手当金が支給されない可能性がありますが、
「申告手続きそのもの」が理由で出産手当金が減額されるわけではありません。

第7問

【問題】
産前産後休業中に、資格勉強の内容をブログで公開し、アフィリエイト収入を得た場合であっても、その収益が「偶発的収入」に当たる程度であれば就業と扱われないこともある。 (○/×)

【正解】

【解説】
出産手当金における「就業」かどうかの判断では、作業性・継続性・指揮命令などが重視されます。
たまたま過去に書いたブログ記事に広告を貼っていて、そこから少額のアフィリエイト収入が入るだけであれば、偶発的収入として「就業ではない」と扱われることもあります。
一方で、継続的に記事を更新し、収益を得るために能動的に作業していれば、就業と評価される可能性が高まります。
つまり、どこまで“仕事”としてやっているかがポイントになります。

第8問

【問題】
産前産後休業中に会社が従業員へ研修受講を義務付けた場合、就業したと認められるため、出産手当金の受給資格が失われる可能性がある。 (○/×)

【正解】

【解説】
会社が「必ずこの研修を受けなさい」と義務付けることは、明確な指揮命令にあたります。
この場合、研修受講は就業と評価される可能性が高く、その日については出産手当金が支給されないなどの影響が出ることがあります。
特に、研修が勤務時間内に位置付けられ、賃金が支払われるような場合には、就業性がより強く認定されやすくなります。

第9問

【問題】
産休期間中であっても、労働者が自発的にキャリア形成のため資格学校へ通学することを会社が理由に不利益取扱いを行うことは、男女雇用機会均等法などにより禁止されている。 (○/×)

【正解】

【解説】
産前産後休業や育児休業の取得・利用を理由とする不利益取扱いは、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法で禁止されています。
労働者が自発的に資格学校へ通うこと自体は、自己研鑽であり、通常は就業とみなされません。
その行為を理由に「評価を下げる」「配置転換で不利益を与える」といったことは、不合理な差別的取扱いとして問題になる可能性があります。

第10問

【問題】
産前産後休業期間中に、会社の許可を得て副業を行ったとしても、その副業収入は出産手当金の支給額に影響し得る。 (○/×)

【正解】

【解説】
副業であっても、「報酬を得て継続的に労務を提供している」のであれば、就業と評価されます。
出産手当金は「労務に服さなかった日」について支給されるため、副業を行った日は、その日の分の出産手当金が支給されない、あるいは額が調整される可能性があります。
会社が副業を許可していても、健康保険制度上は“働いたかどうか”で判断されるため、「許可がある=影響なし」とは限らない点に注意が必要です。

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